税理士の平尾和也です。
今月も税金耳より情報を配信させていただきます。
今月は、円に戻さない外貨投資の「隠れ税金」というテーマです。
それでは、内容の要約です。

外貨建て資産運用・決済における為替差損益の最新実務ガイド
個人での外貨預金や外貨建て投資を行っている経営者が、確定申告で特に注意すべき「為替差損益」の税務実務と最新の最高裁判決について解説します。
- 基本原理:
含み益は非課税、実現した利益は「雑所得」
保有中(含み益・含み損): 確定申告は不要です。
円に戻して利益が出た場合: 「雑所得」として他の給与所得等と合算され、総合課税(最高税率約55%の累進課税)が適用されます。
損失が出た場合: 他の雑所得(公的年金や暗号資産など)との内部通算は可能ですが、事業所得や給与所得など他の所得領域との損益通算はできず、翌年への繰り越しもできません(切り捨て)。
- 要注意:
「円に戻さなくても」課税対象となる4つのパターン
「外貨のまま使っているから税金はかからない」という認識は誤りです。税務上、外貨を使った決済や再投資の時点で「一度円に戻して利益を確定させた」とみなされます。
× 課税対象にならないケース:
A銀行のドル預金を、高金利なB銀行のドル預金へ移動(同通貨間の単純移動)
〇 課税対象(為替差損益の計算が必要)になるケース:
他通貨への交換: ドル預金をユーロ預金に預け替えた
有価証券の購入: ドル預金でドル建ての投資信託・株式・債券を購入した(一任勘定含む)
実物資産の購入: ドル預金で海外不動産などの購入代金を支払った
- 最高裁判決(令和8年6月16日)による決定打
外貨による有価証券取得等の為替差益をめぐり国税当局と争われていた裁判にて、最高裁判所は「外貨による他通貨取得や有価証券取得でも為替差益を認識すべき」との確定判決を下しました。これにより、外貨建て資産での再投資や決済における課税関係が明確化されました。
経営者が今すぐ取るべき実務対策
金融機関は株式の特定口座のように為替差損益を自動計算・源泉徴収してくれません。外貨建て預金から直接投資や不動産購入を行った場合は、ご自身で取引時点の換算レートを遡って計算し、申告を行う手順の構築が必要となります。
当事務所では、こうした税制改正に対応するための対策についての相談以外にも 経営に悩む経営者様に向けて『経営お悩みコンサル』をはじめました。
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